スイッチングコスト

ある美容院のオーナーから聞いた話。

・最近、男の客が増えてきて困っている。
・店の雰囲気がむさくなるので、あの手この手で女性客比率を増やそうとしてるのだが、なかなかうまくいかない。
・でも、ふと、客単価が上がっていることに気づいた。


この店は、技術者にランク制を導入していて、ランクが上がるとカット料が上がる仕組みを採っている。そして男性客の場合、カット料が上がっても、従来の担当者を継続指名するケースが多いらしい。


顧客の立場からすると、「担当者を替えることによる被る不利益<コストの上昇分」の場合、新しい担当者を指名するのが合理的である。


なのであるが、男の場合もっと単純なんだろう。
キャバクラでも何回か指名したムスメから別のムスメにチェンジする場合には、そこそこ良心の呵責があるのが普通である。
泥酔状態のまま間違って変なの指名してそのままズルズル行ってしまって脱出不能となり頭を抱えているお父様がたも多いだろう。
ということは、上記の美容院の場合、カット料が上がるというイベントは過去の過ちを清算する絶好のチャンスということも言える。

そこでなぜできないか。
「いや、俺は君のカットの技術を目当てに来てるから、決してアナタ自身をどうこう(ゲフンゲフン」
「いや、俺は金持ちだからその程度の料金なら(ウヘンウヘン」
などという、しょうもない見栄が、合理的な行動をとることを阻害している可能性がある。


という脱線話はさておいて、
経験上、2回指名すれば、あとはズルズル行く可能性が高いように思う。従ってその段階に集中的にサービスを行い、顧客が担当者を替えるコストを徹底的に高めることが重要だろう。


ということで、お前らもっと俺にサービスしろ。


冒頭の美容院では、稼ぎ頭は20代の若い女の子らしい。そして男性客の比率が高いらしい。
きっとかわいいムスメなのだろう(・∀・)