萌え萌えジャパーン


1年前に野村総合研究所がオタクをまじめに分析したレポートを出して市場関係者の失笑を買った事件をふと思い出した。
http://www.nri.co.jp/news/2004/040824.html


今年に入ってからも、買う銘柄がなくなった投資家が萌え相場などと称して関連銘柄をあたりかまわず買い上げてみたり、一体誰を釣ろうとしてるのか意味不明な現象が発生している。


オタク産業って本当に伸びるのだろうかということで、中心産業と目されるアニメ業界の人に話を聞いてきた。


日本のアニメは成長産業であるという認識が一般市民の間にも浸透しつつあるが、そんな甘いものではないようだ。というか、アニメ業界全体は伸びる可能性はあるのだけれども、それで一番儲けるのは結局広告代理店と放送局なんじゃないかという結論に達した。


アニメの制作費は安い。下請け会社はアニメ作って納品しただけではコストを回収できなくて、結局DVDやグッズのライセンス収入に頼っている。ただこのライセンス収入も、製作委員会に出資した割合に応じて配分されるので、ようは、金持ってるやつはより金持ちになり、貧乏人は働けど働けど我が暮らし楽になりませんという、ジャスト資本主義とも形容すべきステキな構造が出来上がっている。


とは言ってもやりようが無いわけではない。例えば、ウィーヴは自社内に代理店機能を持ってる。GDHはSPC方式を使って版権を一手に抑えるという荒業を編みだして、これはとてもおもしろい。
つまるところ、作るだけでは儲からないので、川上の方にえっちらおっちら登っていくということなのだが、これをやるには経営者が相当優秀じゃないと多分無理なので、普通の制作会社には期待するほうが酷だろう。
韓国人や中国人の進出もめざましいので、普通の下請けだけやってる制作会社はどんどん潰れていくのではないだろうか。公取独禁法を盾にして放送局や代理店を締め上げるとか、行政が介入しないと相当きついなこれは。うん、かわいそう。


勝ち組と目される一部の大手製作会社に関しても、打線は水物なので、そこそこ売れる作品を作り続けるのって大変だろうなあという気がする。ガンダムエヴァンゲリオン並みの大ヒットが出ればいいのだろうけど、まあ10年に一度の花火を期待して株を買うのもばからしい。やっぱり売れそうな番組にだけ出資して食い逃げするってのが一番いいなあ。
そう考えると生まれ変わったら電通に就職しようと思ってしまう。


さて上記のGDH(ゴンゾ)は、来年フジテレビと組んで初の劇場用映画「ブレイブストーリー」を公開する予定。フジは踊る大走査線のチームが本気になって取り組むらしい。日本テレビジブリの成功がうらやましくてたまらないのだろう。まあ広告もバンバン打つだろうから普通にヒットするような気がする。GDH安かったら買いなんだけど既に高いんだよな。